渡る世間は詐欺ばかり「保険外交員編 4-4」

Κは、悪い人では無いと思う。 保険に入ってもらいたい為に、お金を 使った。 そして、お金が無くなった。 だから、ちょっと お金を借りる為に 他人の名義を借りた… 最初は、そんな軽い気持ちだったんじゃ なかっかと思う… 元同僚の一人が、いろいろ調べて 、敏腕 弁護士だという人を探してくれたので、みん なで組んで、その方に弁護をお願いした。 一人、10万円ずつ…詐欺に逢った上に大 きな痛手だった。 警察や裁判所にも行った。 初めて、裁判所の証言台に立ち、テレビで よく見る、誓いの言葉みたいな物を読んだ。 私は、4社も契約していたので、人より 手間が、かかった。 つくづく、失業中で良かったと思う。 そうでなければ、職場を休むなりして、迷惑 をかけたかもしれない… 4社中、3社は、詐欺に逢ったという事情 を理解し、和解に応じてくれた。 だが、1社だけ、被害額の4割を払ってくれ たら、和解するとという条件を付けられた。 ほとんどの人は、それに応じて、和解した ようだが、私は失業中だし、しかも 車と、 ねずみ講で買った羽毛布団の支払いもあった ので、和解には、応じなかった。 しかも、自分て使ってもいないお金を、支 払う事に抵抗があった だから、借金が、ずっと残っているという 扱いになり、不本意ながら、ブラックリスト の仲間入りをしてしまった。 この事件は、これで解決という事になり それ以上の進展は、無かった。 Κは、4千万円の生命保険保険に加入して いて、自殺して、お金を弁償しようとしたら しいが、未遂に終わった。 私は、Κが入院している病院を訪ねた。 頭に包帯を巻いていたが、それほど重いケガ では無いようで、ベッドから起き上がってい た。 私を見ると、一言「ごめん」とだけ言った 文句の一つでも、言ってやろうと、意気込 んで行ったものの、何を言ったら良いのか わからない… すごく大変だった事を言い、疑問に思って いた事を聞いた。 1社だけ、後からカー送られてきたのに、 どうやってお金を借りたのか不思議だった, 答えは、単純だった… 私の代わりに郵便 局にカードを受け取りに行った時、そのまま ATMからお金を引き出してきたそうだ。 暗証番号も、契約の時、私の隣に居たので、 暗記していたという事だった。 なるほ...