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渡る世間は詐欺ばかり(ねずみ講編)

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    私が.24、5歳の頃だった。  私は、高校を卒業してすぐ、全国チェー ンで、有名な “A”というデパート(スー パーマーケット)に勤めた。  従業員数も多く、給料も同級生達に比べ るとけっこう良い方だった。  その頃は、まだ “ねずみ講” という言 葉さえ知らなかった。  ねずみ講というのは、例えば、Bが私を 紹介し、私が何か商品を買ったら、その 1割がBとさらにBを紹介したC、またさ らにCを紹介したDに報酬として入ると いったように延々と報酬が入るというしく みになっている  だから、たくさん紹介すればするほど、 報酬を貰える…というわけなのだ。  理論上ては、とても良い副業に感じる が、 そんな簡単に物を売れるだろうか?  友人との今後の関係など考えたら、なか なか紹介もできないのでは、ないだろう か?  私は、一番の親友だと思っていた友人に 「すっごい、おいしい話があるから、一緒 にやろう!」と誘われ、その場所に連れて 行かれた。  そこは、プレハブのような簡単に造られ た建物で、テーブルが並び、その上に羽毛 布団や電化製品が、陳列されていた。  もう、その瞬間に “ ここに長居する のはマズイ、適当に話を合わせて、早く帰 ろう”と思った。  私達が入って行くと、すぐにリーダーら しき人が、近づいて来た。  そして、B5版の用紙に、友人、知り合 いの名前を書くように言われた。 私が、十数人の名前を書くと、ちょっと驚 いたような、嬉しいような顔をしていたの を今でも覚えている。  けれど、私の職場は、従業員が多く、勤 務年数も5年以上経っていたので、知り合 いが多いのは、当たり前……… だったの だが、それが、良く無かったのだと後から 思った。  その友人リストで、私は “カモネギ”  に抜てきされてしまったのだと思う。  一通り説明を聞き終わると、私はすぐに パンフレットを手に持ち、「では、家に 帰って検討します。」と言い、帰ろうとし た。  が、「家に帰って考えたら気持ちが変わ ってしまうから、今決めた方がいいよ」と 引きとめられてしまった。  まだ若かった私は、断る事も出来ず、仕 方なく残り、結局は、羽毛布団を買う羽目 になってしまったのだ。  プラス 布団カバー、磁気マット、 磁 気枕… ヤケクソになり、他の物まで一緒 に買い、合わせて...