渡る世間は詐欺ばかり「保険外交員編 4-2」

   Κは、口が上手かった… 

と、いうより爆弾のように次から次へと言

葉を発し、こちらが、口を挟む隙を与えない

ほどだった。

 また年上という事もあり、Κと一緒にいる

時は、ほとんど、Κの言う通りにしていた。

  そんなある日、消費者金融のカードを作 

って欲しいと頼まれた。

Κのお客さんに消費者金融に勤めている人が

いて、そのお客さんに頼まれたというのだ。

 今後も、わだかまり無く付き合いたいか

ら、登録するだけで、カードは、使わず

すぐ処分しよう… 一通り説明した後、同

僚の名前を並べ、この人達みんなが、作っ

てくれたんだよと、言われた。

 そこまで言われたら、もう断れない…

私は、しぶしぶ承諾した。


 その2日後、Κと一緒に消費者金融巡り…

1日で、4社も周り、契約させられた

 1社だけ郵送になったが、他3社は、そ

の場でカードを受け取った。

 その足で、Κの会社に向かった。

 そして、人目の無い所へ連れて行かれ、

私の作ったカードを、このように粉々にし

たから、これを今からトイレに流しに行く

とトイレに促された。

 そして、トイレへ行き、その粉々になっ

た物を流した。

 何日か後に、Κが自宅に訪ねて来た。

まだ、貰っていないカードは、どうしたの

か?と聞いてきた。

 そういえば、書留の不在通知が、来てい

た事をすっかり忘れていた。

 Κが、私の代わりに受け取りに行くと言っ

てきたので、何で?と不思議な気がして、悪

いからと断ったが、それでも行くと言うので

仕方なく、受け取りに行ってもらう事にし

た。

 Κは、なかなか帰って来なかった。

40分くらいで、往復できる場所なのに、1

時間以上は、過ぎていたと思う。

 理由を聞くと、道路が混んでいたからと

いう返事が、返ってきた。

 その時、もっと突っ込んで、話を聞くべ

きだったと、後から思った…


 Κが訪ねて来た時、今の主人も来ていた。

会いたく無いと言うので、隣の部屋に隠れて

もらっていた。

Κが帰った後、「あの女、なんか怪しい…

ベラベラ話し過ぎる…」と言われたのに、私

は、まさか、と耳を貸さなかった…







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